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ツイブロ

求人広告のライターが、ブラック労働や就活、人材業界周辺のことなど、日常のあれこれをツイーっと書き込んでいるブログです。心に残るヘリクツをお届けします。

「『ゆとり世代』に気づいて欲しいこと」に見る、企業のホンネと建前。

考え方 考え方-人材

 を読んで鬱々としていたところ、
同じようなことを思っている人がいて嬉しかった。

書きたかったことのほとんどが既にここにあるので、同じ意見を繰り返すのはやめておく。なので、すこし新卒採用に絡めて違う角度から書いてみたい。僕が特に納得できなかったのは、元記事のこの部分。

彼らとの対話で感じたのは、彼らが

●社会は機能性・合理性だけではなく、一定のプロトコール・規範のもとで動いていること
●自分とは違う世界観をもった人たちがたくさんいて、一つの正解があるわけではないこと
●いい仕事をするため、自分のやりたいことを実現するためには、
 その共通言語に沿ったコミュニケーションが不可欠となること

に、必ずしも気がついていないということだ。


最後に「必ずしも気がついていない」とあるのだけど、この認識こそがオッサン連中と若手たちとの大きな溝になっている。若者の認識としては「もちろん気づいているが、納得できかねる」が、より近い感覚なんじゃないかな。

「一定のプロトコール・規範」や「共通言語に沿ったコミュニケーション」が必要?んなことは分かってる。分かった上で、学生たちは、新進気鋭のライフネット生命さんなら、これまでの非合理的な慣習にメスを入れてくれるのでは?と期待して質問しているのである。

最初に同社の新卒サイトで「ゆとり金閣寺」の企画をみたときは衝撃を受けた。"会社のBBQ、全然行きたくない…""言っていることに、矛盾があるって、上司に言った方がいい?""内定をとるために、自分を大きく見せることに意味ある?"など、就活生からは口が裂けても言えなかったことを、企業の側からドドンと提示している器のデカさにシビれた。

でも、それだけに今回の記事は失策だったとしか言いようがない。せっかく学生に寄り添った企画で、若者の感覚を理解する頭のやわらかい企業、という印象を醸成できつつあったのに、COO自らそれをぶち壊してしまった。つい企業のホンネが漏れてしまったのだ。

確かに、機能性だけを考えたら、スーツなんて着る必要はないかもしれない(ちなみに、スーツを着ないシリコンバレーでも、襟つきシャツ+チノパンのような ドレスコードがあったりする)。ビーサンで通勤したっていいかもしれない。飲み会でお酌なんてする必要ないかも知れない。

でも、そんなちょっとしたことで、他者にマイナスの印象をもたれたら「損」だよね。とくに、仕事の実績がまだ明確にならない、若いうちは。それだけのことだ。


この言い方はズルい。「お酌しなければいけない会社」と「お酌しなくて良いが、お酌しないとマイナスの印象をもたれる会社」は、雇われる側にとっては、ほとんど同じ意味でしかない。

上記リンクの「ぐるりみち。」さんの記事でも、

元記事を見ると、筆者の主張にはどうしても、「会社は絶対」だとか、「周囲に合わせて協調せよ」といった思考がにじみ出ているように思えてならない。「信頼」を一番大切だと断言していることもそう、「お酌をしないことが自分の信念であれば、それを許す会社を選べばいい」という物言いもそう。違和感ばりばりっすよ。


とあるけれど、まぁそういうことだな、と。
ライフネット生命と言えば、これまで無駄だらけだった生命保険の仕組みを再構築。透明性が高くリーズナブルな保険の形を作り上げた、新しくてクレバーなイメージの会社である。保険営業マン、生保レディの人間力営業を排して、まさに合理化で成功した企業だ。でも、社内の風土までは合理的じゃなかった。

いったいぜんたい「会社のBBQ、全然行きたくない…」の質問に対する常務の回答はなんだったのか。お酌の件と完全に相反するアンサーだと思うのだけど。

僕は今回の一件で、同社が新卒生に課す「重い課題」にも見られるように、絶対的な忠誠心、組織への過度なコミットを求められる会社なのではないかと、すこし不信感を抱いてしまった。やはり採用ホームページを見ただけでは、企業側の真意を推し量るのは難しいということか。

学生との対談で得た質問とそれに対する回答は、2月中に公開されるらしい。伸び盛りの面白そうな会社なだけに、僕の考えがまったく的外れなものであればいいな、と思っている。というより、今回の僕のエントリーについては、企業の言いたいことは多少分かった上で、あえてイジワルを言っている部分もある。

学生にあれもこれもと要求ばかり投げかける企業が多い中、学生との新しい付き合い方を模索している同社の採用スタイルには、実はちょっぴり期待していたりもするのだ。

なんだか最後に、文章が丸い感じになってしまった。まぁこれが「一定のプロトコール・規範」のもとで行動するってことなのだろう(笑)というわけで、これにて共通言語に沿ったコミュニケーションを終わらせて頂きます。