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ツイブロ

求人広告のライターが、ブラック労働や就活、人材業界周辺のことなど、日常のあれこれをツイーっと書き込んでいるブログです。心に残るヘリクツをお届けします。

有能なパートは、社員雇用すべきなのか?

考え方 考え方-人材


ガイアの夜明け。
先日放送された「今こそ、"主婦力"で売る!」の回について、ネットで意外な意見が出ていてビックリ。
 


ガイアの夜明け「有能パート主婦を活用」に搾取だとの意見続出。感想まとめ - Togetterまとめ


これ、よくあるパートさんの上手い活用の話で、個人的には搾取とは思いませんでした。むしろ、主婦活用みたいな手垢のついたネタを何をいまさら、という印象を受けた回でした。

主婦がスーパーで試食用のメニュー開発をすごく頑張って表彰されたり、パートさんがデザイナー顔負けの見事なPOPを自作したり、ブランクから復帰した派遣営業のママさんが百貨店に食品の提案営業をしてたり、、、。

ただ、ネットでは一部の人が、「これだけ成果を上げてるのに給与は安い時給のままで、賞与が出るって言ってもそれも寸志じゃないか」と言っています。

たしかに、この点に違和感を感じずに見ていた自分は、どうかしてたといいますか、社畜思考に陥っていたのかもしれません。

改めて厳しい目で、番組内容を振り替えてみると、厳密にいえば、パートさんが家でメニューを試作している時間は労働だし、材料費は経費とも言えます。パートさんは、それらを手弁当でやっておられるわけです。

でもね。彼女たちに「時給に見合った仕事内容でいいから、おとなしく接客だけしててよ」って言ったら、たぶんあんな風にイキイキとは働けないと思うんですよね。なぜなら、新メニューを考えるのは、食品に関わる仕事をする人にとっては、とてもワクワクできる楽しい仕事のひとつだから。POP作りだってそう。自分の感性を世に送り出すクリエイティブな仕事には、それだけの魅力があります。

考えようによっては、彼女たちの仕事のやり方って、良いとこどりをさせてもらっているのかもしれません。本来パートは、重要度の低い仕事を"こなす要員"として雇われます。だから、パートの仕事にやりがいなんてないのが普通です。うちのオカンも、ブーブー愚痴をいいながら毎日働きにいってます(笑)

ところが、このスーパーでは、試食用のメニューを考えさせることで、パートさんにもスポットライトが当たるような見せ場をつくっている。本来であれば、やりがいと責任ってセットです。でも、この主婦さんたちは、パートという責任の軽い立場でありながら、ある種の承認欲求を満たせるような業務にも携わることができています。

試食用のメニューを考えるのって、時間コストを考えると社員がやるには割に合わない小粒な仕事だと思うので、それを楽しんでやってくれる主婦さんがいるなら大助かり、という考え方は理に適っていると思います。スーパーにとって試食コーナーへの注力度合は「プラスアルファの要素」であり、主婦さんにとっては「ささやかな趣味、やりがい」であり、これがうまい具合にwin-winの関係になっているのでしょう。

現状、この仕組みがうまく機能しているのは、"頑張りたい人だけが、自主的に頑張る"運用になっているからでしょう。意欲のある人は手弁当でメニューを考案して、それと引き換えにささやかな時給UPと少々多めの寸志を手にします。一方、やりがいとかいらないんで、時給だけください、という主婦さんは、パート本来の通常業務を勤務時間内で一生懸命がんばります。それできちんと雇用してもらえるし、パートとしての評価も得られます。

僕がこの件を"搾取"だと思わないのは、パートさんには、頑張らない自由も与えられているからです。社員だとそうはいきませんよね。

テレビではパートさん全員が同じようなモチベーションで働いているかのように語られていましたが、当然、個々人で温度差はあると思います。プライベートも含めてあそこまでコミットして働いている主婦さんは、やはりレアケースなのではないでしょうか。

あと、これを言ったら元も子もありませんが、テレビに出ていたパートさんたちが「有能」なのは、スペックが高いからではなく、単に給与以上の仕事をするから有能って言われているだけなんじゃないですかね。

社員レベルだと、あのくらいの人ってゴロゴロいるでしょ、とは思いました。

今回の特集。あくまで「パートなのにすごい!」っていうフィルターありきの評価なんですよね。だからテレビ放送されていた事実をもって、「有能なパートは社員にすべき」とはならないし、それをやるとお互い不幸になるだけだと思います。