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ツイブロ

求人広告のライターが、ブラック労働や就活、人材業界周辺のことなど、日常のあれこれをツイーっと書き込んでいるブログです。心に残るヘリクツをお届けします。

お手本を見せることと、実力を見せつけることを、混同してませんか。

考え方 考え方-仕事

新人教育について、少し思うところがあったので書いてみます。

 

営業職のOJTといえば、後輩を連れて商談にいく同行営業がわりと一般的です。僕たちのような制作関係の仕事でも、まずは実際に文章を書いて見せてあげたり、先輩がデザインした成果物を見せてあげたりしています。

 

後輩を教育する場面で、いわゆる「お手本」を見せる機会って結構多いと思います。

 

ただ、一つやり方を間違うと、後輩が育たないばかりか、最悪、モチベーションが下がって辞めてしまうこともあるのではないか、そんなことを思ったのが今回のお話のきっかけです。

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自分の凄さを、新人に示すための場になっていないか?

後輩を連れていくときに、特別仲の良いお客様先を選ぶ先輩がいます。もちろん、新人を連れて訪問しても、ゆるしていただける関係性が築けていなければいけませんので、自然とそうなることもあるでしょう。

 

ただ、訪問目的が後輩の教育ではなく、自分の営業力を見せびらかすことにすり替わっているケース。意外に多いんじゃないでしょうか。ベスト オブ ベスト プラクティスを見せつけられた後輩はその後、自分一人で仕事を始めたとき、お手本とのギャップにショックを受け、大いに悩むことになります。

 

先輩のマウンティングが、新人の成長をストップさせる

新人は成長しています。日々、確実に。

でも、折に触れて先輩が、自分のほうが優れていることをアピールし続けるような状況下では、新人は自分の成長を実感できません。自分はずっとレベルの低いままだと錯覚して、その状態が長く続けば自信を喪失し、積極性も失われます。

 

そのうち、自分がやるより先輩がやった方がうまくいく、と考えるようになり、一歩後ろに下がるクセがついてしまいます。後輩に「やっぱり先輩にはかないません」と言わせるのは大変気持ちが良いので、多くの先輩たちが無意識のうちに、自分の有能ぶりを見せつけてしまっているのです。

 

凡庸な仕事こそが、一番のお手本になる

手本を見せるのは、実際の仕事手順を見せてマネさせるためでもあります。だからこそ、お手本にする実例は凡庸なものであるべきです。会社の中でも上位クラスの仕事をいきなり見せたところで、新人にとっては雲の上すぎて参考にし辛いのではないでしょうか。

 

見せる場合は、それが良くできた成功例であることを前置きした上で、標準的な例と並列して見せてあげる必要があると思います。勉強で、基本問題をすっ飛ばして、応用問題を教えても身につきませんよね。それと同じことだと思います。

 

先輩は自分の実力を高く見せたいので、どうしてもハイレベルな実例を紹介したくなるのですが、それでは自己満足になってしまうということです。

 

常に半歩先を提示できる、先輩になろう

追い付いたと思ったら、そのとき先輩は、また数歩先を進んでいる。そんな関係が理想です。そのためには、後輩の能力を正確に推し量る必要があります。与える仕事の難易度を調整してあげる必要があります。

 

マネジメント力とプレイヤーとしての能力は別物だと言う主張も見かけますが、それでも一定以上のプレイヤーとしての力量がなければ、与える仕事の難易度をコントロールすることができません。

 

常にちょうどいいレベルの仕事があるわけではないので、ある仕事はまるごと任せるけれど、ある仕事は途中まで伴走する、といった調整が必要です。この難易度設定がヘタクソな先輩や上司が、ときに新人を天狗にしてしまったり、逆に潰してしまったりするのだと思います。

 

最後に

新人の教育担当として、2年目、3年目くらいの先輩をつける会社ってけっこう多いですよね。あれは、2年目、3年目の社員に先輩の自覚を持たせる意味もありますが、意識して仕事の難易度を調整しなくても、自然と許容範囲レベルの仕事ぶりを、新人に示せることもメリットなのだと思います。

 

ただ、2年目、3年目の先輩が教えることには、正直、間違いも多いし、非効率も多いです。ですから、理想はマネージャークラスの人が、新人の成長度合いに合わせて、業務レベルをしっかりコントロールすることです。

 

日本にマネジメント人材が不足していると言われるのは、部下の能力を正確に把握して、タスクの一つ一つに対して、どの程度自分が関与すべきかを見極める力のない人が多いからではないでしょうか。

 

鬱や早期退職、労働時間の偏りといった問題の中には、上司の采配によって改善できる余地がまだまだ残されている気もします。