いわゆる「名作」と呼ばれるドラマや映画を観ると、その素晴らしさに感動します。たとえ、それが10年、20年前の作品だったとしても。
いいものは、やっぱりいいのです。
フレンズというアメリカのTVドラマがあります。
僕の大好きなドラマの一つです。
たとえば、こんなにコンテンツが溢れかえっている世の中を見渡しても、「フレンズに似た何か」を見つけることはできません。Amazonやネットの書き込みでレコメンドされるコメディジャンルの作品を観ても、やっぱり違います。それはそれで悪くなかったりしますが、やっぱりフレンズではないし、フレンズの上位互換でもありません。下位互換でもない。
レビューや感想文を読んでいると、○○に似たような作品、という評し方がありますが、それはあくまでも批判する目線での話であって、作品を好む人からすれば、似たような作品なんて、やっぱりこの世の中に一つもないんだろうなと思います。
レンタルや動画配信、書籍もそうでしょう。過去の名作を手にするのは簡単です。むしろ名作のほうが量産されるので、より簡単に、より安価に手に入ります。
いま僕は、週5~6日は働いており、自由になる時間がそこまであるわけじゃありません。そんな僕ですら、物凄いスピードで、この世の中にある名作を食い尽くしている実感があります。
たしかに、YOUTUBERたちが配信するようなコンテンツまで含めれば、個人が消費仕切ることは、とてもじゃないけれど不可能な世の中にはなったのかもしれません。でも、本当に自分がお気に入りの、誰かと語り合いたくなるような名作の生み出されるスピードは、人が一生涯に消費するコンテンツ量に、まだまだ満たないのではないでしょうか。
忙しい僕たちは、時間に終われて「ながら消費」をしてしまいがちです。でも、そのとき消費しているコンテンツは有限で、似たような何かが、手軽に見つかる保証はどこにもないのです。
長らくレンタルしていたシリーズや購入したBOXセットを観終えるたびに、命がすり減るような思いになります。
食事するときに、生産者に感謝していただこう、という考え方がありますが、コンテンツも同じなんですね。きっと。大切に鑑賞しなくては。