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ツイブロ

求人広告のライターが、ブラック労働や就活、人材業界周辺のことなど、日常のあれこれをツイーっと書き込んでいるブログです。心に残るヘリクツをお届けします。

リクナビとマイナビを利用する学生のみなさんへ、求人ライターから一言。

考え方 考え方-人材

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出典:マイナビニュース

 

いよいよナビサイトがオープンしましたね。

期待半分。不安半分。掲載されている情報を見た学生さんは、どんな感想を持つのでしょうか。

 

僕がひとつ気がかりなのは、いざ内容に目を通してみると、果たしてエントリーすべきかどうかを判断しかねる求人が多い、という感想を持つのではないかということです。

 

ナビサイトで伝えられる情報というのは、だいたいお決まりで、事業説明や会社の将来性、教育体制、会社の雰囲気といった、会社情報が中心です。でも、これだけでどうやって判断するの?と、僕なんかには思えて仕方ありません。

 

「入社後、実際にどんな風に働くのか」という観点が欠けている

いい会社に入りさえすれば、新入社員研修を受けられて、自分も人並みに仕事ができるようになるんじゃないか、と何となく思ってしまいがちですが、そんなことはありません。

 

仕事が始まってすぐに、こんなはずじゃなかった、思っていたのと違う、という理由から退職を申し出る人は少なくありません。ゴールデンウィーク前後の新卒退職者が多いのはそのためです。

 

会社説明会で巨大プロジェクトを成功に導いたカッコイイ動画を見せられて感動した人が、いざ働いてみると、ひたすら新規開拓で電話をかけまくるだけの仕事だった、ということも充分あり得ます。

 

それは企業が学生を騙しているわけではなく、華やかな成果の裏には、日々の地道なタスクが積み重なっているという、社会人からすれば当然のロジックがあるわけです。ただ、その事実を暗黙知として学生に望むのも無理あるなぁとは思いますが…。

 

華々しい成果のほうに魅力を感じる気持ちはとてもよく分かりますが、失敗しない就活をしたいのであれば、その仕事の過程が自分にとって受け入れ可能かどうか、という判断軸も、ぜひもってください。

 

個人的に、ナビサイトの薄い仕事情報を補完するための手法として、転職者向けのサイトを見ることをお勧めします。

 

同業の同職種の仕事を絞り込んで検索すれば、それなりに近いビジネスを手掛けている会社の求人が見つかるはずです。全部が全部、鵜呑みにはできませんが、どんなプロセスで仕事を進めていくのかが、多少なりとも詳しく書かれていると思います。

 

転職する人は、これまでの経験を活かして働ける職場を求める人が多いですから。仕事のやり方やどのくらいの仕事量があるのかを、応募前に知っておきたい人が多いので、求人情報にもそれが書かれています(もちろん、書かれていないものもありますが…)。

迷ったときの判断材料にしてみてください。

 

ただ、仕事内容が重要な情報であることを理解していながら、なぜ僕はナビサイトを手掛ける際に、仕事内容を丁寧に説明しようとしないのか。その理由をいくつか挙げてみました。

 

仕事内容以前に、どんな会社か説明しなきゃいけない

企業情報だけでなく、仕事内容についての情報も欲しいという学生は多いはずなのに、なぜ仕事内容の情報はあまり提供してもらえないのでしょう。いくつか思い当るフシがあります。

 

原因は色々ありますが、一つは、掲載企業の多くが無名の企業だからだと思います。

たとえば、ネームバリューで興味を持ってもらえる企業は、自分たちが何者かという説明を省くことができます。いきなり本題に入っても、学生の理解を得られます。

 

でも、無名の企業だと、まずは自己紹介が必要になります。当社は何をしている会社で、どんな強みがあって、世の中からどう支持されているのか。ありていに言うと、「マトモな企業であること」「怪しいものじゃないこと」をとりあえず説明しなければいけないんですね。

 

業界トップクラスとか、意外と歴史があるとか、昔からの取引の歴史があって経営は安定しているとか。色んな角度から「うちは大丈夫です」という説明をしなくちゃいけないんです。

 

このくだりで結構、文字数を食ってしまいます。新卒サイトは、文字数はほとんど際限なく書けるような仕様になっているみたいですが、学生が一社あたりにかける情報収集の時間を考えると、あまり長々書いても飛ばされちゃうよね、という判断が、現状では下されています。

 

さて、無名の企業が大変なのはわかったけど、じゃあ大手企業の情報が充実しているかと言うと、それほどでもありませんよね。

 

大手企業の場合は、逆に情報が多すぎて書ききれないんです。

 

事業内容が複雑で多岐にわたるため、仕事内容を事細かに説明しだすとキリがありません。文章で長々と説明するにしても、限界がありますし。

 

この辺りは、自社の採用ページで写真やイラストを交えながら、上手に説明している企業さんも増えてきましたね。ただ、WEBサイトの制作に手間暇もコストもかかりますから、準備できている企業はまだまだ少数(大手のみ)だという印象です。

 

細かく説明すると、つまらない仕事に見えてしまう

これも深刻な問題ですね。各社が華々しい自社の自慢大会を繰り広げている中で、日々の仕事内容について、地に足付けて語るのはとても難しい。

 

どうしても地味に見えてしまいますからね。学生さんから敬遠されてしまうリスクをおそれて、積極的にルーチンの仕事内容について語ろうという企業は少ないです。

 

まずは100件飛び込み営業、なーんて会社も実際ありますから。その事実が学生を遠ざけることを企業の担当者の方も理解しているので、なかなか細かな仕事内容を載せましょう、とはなりません。

 

仕事が100あれば、そのうちの99は地味な仕事です。説明会やナビサイトで紹介される事例は、最大値の事例だと思ってください。どんな仕事も、日々の動きはたいていは地味です。場合によってはつまらないことも多い。ただ、1ヶ月に1回くらい自分の見せ場があって、いい仕事をやりとげたという充足感が得られる。そんなものだと思います。

 

当たり前の話のようですが、華々しい業績が乱れ飛ぶ就活の世界の中では、日々の泥臭い仕事を提示した企業は、何だかパッとしない企業のように見えてしまうという、残念な事情があります。

 

学生に専門的な話をしても分からないだろう

あとはこれ。これが理由としては大きいかも。もちろん学生さんは、興味をもった企業や業界については、個別リサーチするかもしれません。企業研究が大事だって言いますよね。

 

でも、広告の作り手としては、リサーチしていることを前提で文章を書くことがなかなかできません。中小企業ならなおさらです。読み手の大半はその企業を知らないし、興味もないわけですから。まったく会社や事業内容について知らないことを前提に文章を組み立てます(企業がターゲットに据える学生さんによっては、例外もありますよ)。

 

中途採用の求人なら二、三行で終わる説明も、そもそものビジネスモデルから解説しなければ伝わらないということになって、とんでもなく煩雑になってしまいます。池上彰さんの番組みたいに、いちから噛み砕いて丁寧に解説してあげないと、なぜ中小企業で無名なその会社が業界で一目置かれる存在なのかを説得できない、というようなケースは存外あります(大手だったら、大手は大手だから凄いんだもん、なんていういい加減な説明でも、ある程度は信用できるでしょ?)。

 

まぁ無名の企業だとそんな力技は使えませんから、説明過多になって文字数が増えすぎると学生に好まれないよね、ということになり(と、みんな思っている)、結果、仕事内容はあたりさわりない簡素なものになります。

 

最後に

以前、リクナビが学生のエントリーを煽っている、といったことが書かれた時期がありました。まぁエントリー数を上げたいのは本音でしょう。

 

ただ、上記のような理由から、ナビサイトの情報から優良企業を見極めて、決め打ちでエントリーして効率的に就活するなんて土台無理、という現実もあります(大手にしかエントリーしない人は除く)。

 

中小企業も視野に入れて活動する学生さんにとっては、やっぱり、数撃てば当たる、の考え方は正しいと思います。

 

ただし、それは数撃てば内定がとれるという意味ではなく、「数撃てば素敵な企業に出会える確率が上がる」という意味で。

 

解禁日が後ろ倒された影響で、例年以上にタイトなスケジュールなると思います。でも、プラスに考えれば、混戦になるからこそ偶然の出会いが起きやすいとも言えます。

 

泣いても笑っても、一生に一回の就活です。

どうせやるなら、ポジティブに、積極的に、取り組んで欲しいと思います。

そして、素敵な企業と出会ってください。