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ツイブロ

求人広告のライターが、ブラック労働や就活、人材業界周辺のことなど、日常のあれこれをツイーっと書き込んでいるブログです。心に残るヘリクツをお届けします。

入社理由に、「採用担当者の人柄が良かった」ことを挙げる学生が多い企業は、採用に失敗してますよ、という話。

考え方 考え方-人材

これが新卒採用の闇だと思うわけです。

 

いきなり何だという話ですが、早くも2017年向けの新卒系の求人あれこれが水面下で動き出しており、打ち合わせをしているとこんな話がよく出ます。

 

僕たちは次年度の新卒を考えるために、まず現状把握から入ります。すると必ずと言ってよいほど出るのが、「2016年度の内定者は、○○社のどこを気に入って入社したんですかね」という話題。

 

ここで挙がってくる内容が、いわばその企業の強みになると考えられます。ただ、あがってくる要素で異様に多いのがタイトルの通りです。

 

「採用担当の方が素敵だったので入社を決めました☆」

 

とかいう、謎の入社理由。

 

この入社動機が多い企業はまず間違いなく、採用ベタな企業です。

 

なぜかと言うと、自社で働く魅力を採用の段階でちゃんとアピールできていないからです。

 

だいたい「採用担当の方が素敵」というのは消去法で出てきた答えであって、その会社の人事担当者が他社に比べて抜きんでてすごいわけではありません。どこの企業の方も、みなさんそれなりに一生懸命やられているわけですから。

 

(内定もらったし、ほかに適当な企業もないし、あー、あの人事の人も良さそうな人だったから、○○社にしようかなぁ)

 

実態としては、こんな気持ちの学生が集まっている可能性が高いでしょう。内定をとって、就活を無事終えられた現状に安堵しているような薄い学生です。まぁ学生なんて、だいたいそんなもんだろう、という見方ももちろんありますし、一定数こういった人が入社することは、とっても普通のことだろうと思います。

 

ただ、問題は割合です。この手のふんわりした志望動機がトップにきてしまうようでは、生き馬の目を抜く採用戦線をサバイバルするには、正直苦しいと言わざるえません。

 

モチベーションが高くない学生は採用しても早期離職の可能性が高いですし、それに何より、こんな状態では採用が競合した場合に、他社に負けてしまいます。

 

右に倣えで、やみくもにインターンシップを開催したり、ホームページやパンフレットを刷新しても、肝心な部分が抜けていては効果薄です。

 

「○○社で、こんな仕事がしたい!」と、学生がきちんと目的をもって入社を決められるように、企業本位ではなく学生に寄り添った情報提供をしていかなくてはいけません。

  

我々はどんな商品・サービスを提供する企業で、こんな人たちの役に立っており、こんな流れで仕事をして、ときにはこんな苦労があり、こんな風に解決して、こんな喜び・成長がある仕事です。

 

と、平凡かもしれませんが、ごくごく当たり前の情報を、いかに丁寧にリアリティをもって伝えられるかが、採用の成否を分かつのではないかと感じています。

 

書き初めに、新卒採用の闇と言ったのは、就活が「仕事」ではなく「企業」をみて入社を決めるものになってしまっている現状を憂いてのことです。

 

テレビ番組にたとえるなら、世の中には、カンブリア宮殿型の採用をしたがる企業がけっこう多いです(会社自慢をして「あんな企業で働きたい」と思わせる)。本当は、プロフェッショナルや両者のハイブリッドであるガイアの夜明けのような、現場で実務を担う人にフォーカスした情報提供をしてあげられると、自分が働くということに対して、より当事者意識をもって理解を深められるのになぁと思うのですが。

 

「人事の方が素敵で

「人事の方に憧れて

 

こうした学生の感想は、中途半端なスペックの企業がカンブリア宮殿型の採用をした、なれの果てです。つまり、企業自慢をしたが学生には十分伝わらなかった結果、建前で「人事の方が――」といった答えが出てきているのではないでしょうか。

 

もしそうだとすれば、人事の方々は学生の感想を真に受けて「自分たちの頑張りが実った」と喜んでいる場合ではなく、本来伝えるべきことがちっとも伝わらないまま内定を出してしまっている現状に、もっと危機感を持ったほうがよろしいのではと思うのです。

 

就活時期の後ろ倒しやら学歴フィルター、エントリーシートがどうのといった制度の不備はありながらも、企業ではなく仕事を語る会社が増えることで、ミスマッチに苦しむ新卒の方が少しでも減っていけば、結果的にいい新卒採用が増えていくんじゃないかなぁと感じています。