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ツイブロ

求人広告のライターが、ブラック労働や就活、人材業界周辺のことなど、日常のあれこれをツイーっと書き込んでいるブログです。心に残るヘリクツをお届けします。

コロコロチキチキペッパーズは、いちばんベタだったから優勝できた。@キングオブコント

サブカル サブカル-テレビ

ちょっと旬が過ぎちゃいましたが、キングオブコントを見ました。

面白かったです。

 

そして、この辺りの感想も読みました。

いろんな意見があって、

自分の感想と比べながら読むのが楽しいですね。

 

heshiotanishi.hatenablog.jp

heshiotanishi.hatenablog.jp

 

 

優勝したコロコロチキチキペッパーズは、分かりやすい笑いどころを作り、それをお客に認識させ、繰り返す、という笑い製造機としての技量がズバ抜けていましたね。

 

彼らのコントを見ていると、ライン作業のごとく、とにかく一定間隔で笑いポイントが押し寄せてくるんですよ。どこで笑えばいいか、ちゃんと目印がついています。

 

たとえば一本目の、天使が繰り返し退場するシーン。

 

続いて二本目の、卓球の「サー!」というかけ声と、SURFACEの曲「さぁ」の曲中に挿入される「サー!」のかけごえとをシンクロさせるポイントも非常に分かりやすい。

 

笑いどころが分かると、笑いにきているお客さんや視聴者は、自ら笑いにいってしまうのです。そりゃそうだよね。笑いたくて見にきているのだから。

 

他のコンビのネタは、笑いどころがいつくるか分からないものが多かったですね。注意深くネタをおいかけていないと、笑いのポイントを見逃しちゃうのですよ。ジャングルポケットのネタに対して三村が、「よーく聞いてないと、わけわからなくなる瞬間があった」と言っていたけど、ネタが入り組み過ぎて(凝り過ぎて)いたコンビが多かったんじゃないかなぁ。

 

しょっぱなの銅像のふりをしている息子とそのオヤジの出てくるコントも、パターン化されており、笑いどころが分かりやすかったですよね(結果、点数もなかなか高かった)。ただ、あれは笑いの総量が少なく、まっちゃんが言っていたように、ちょっと間延びしちゃってましたから。

 

基本的に大衆は、三村ほど頭の回転が速くない(プロ中のプロと素人なので当たり前だ)ので、大多数の笑いをとろうと思うと、もっともっと分かりやすいネタにしなくてはいけない。早口で流れるようなかけあいの中に、会話の妙で笑えるポイントを見出すというのは、一般人には難易度の高いことなのだと思います。

 

たとえば僕は、会話や文章の文脈を理解することにかけては、ふだんから仕事で文章を書いていることもあり、まだ耐性があります。だから一応、全員のネタを追いかけられたし、理解もできました。

 

でも、あまりそういった、言葉遊びのようなやりとりに親しみのない人にとっては、あの会話速度でうまいボケとツッコミを展開されても、何がうまくて面白くて笑えばいいのか、理解が追い付かないんじゃないかなと思いました。

 

上にリンクした方の感想で、さらば青春の光の芸術家のネタが面白かったと書かれていましたが、実は僕も同じでした。あれは面白かった。でも審査員の点数は低く、会場の人にもウケなかった。やはりこれも理解しやすさの問題なんだろうと思います。苦悩する芸術家というコンテキストが、理解できない人が増えているんじゃないですかね。

 

ゴッホのひまわりと言われて作品が浮かんでない人も多いのでは?美大生と同レベルの理解度が必要なわけではありませんが、芸術家のトンチンカンな苦悩の仕方を笑うためには、いわゆる「芸術家」がどんな感じか、というイメージを予めもっておかなければいけませんよね。あの会場の中で、たとえば美の巨人たちを観たことある人が何人いるだろう。

 

同じようなシチュエーションで同じような展開のコントにするなら、芸術家を引きこもりの人におきかえた方が、まだみんな理解できたんだろうなと思います。ドランクドラゴン辺りなら、そういうのやりそうな気もします。

 

個人的に、ネタ構成の凝り具合とネタの理解しやすさのバランスが、ギリギリのラインでとても上手だと感じる芸人さんはアンジャッシュだと思っています(最早、キングオブコント関係ないけど)。ネタは練られていて凝っていて面白いのだけど、内容がときには下ネタもあったりしてバカバカしくて、誰にでも理解できるようなシチュエーションが選択されており、しゃべりのスピードもそこまで速くないんですよね。だから、多くの人に理解してもらえた。

 

キングオブコントに出ていた芸人さんたちは、みんなすごかったと思う。でも、すごすぎて、一般人が、彼ら芸人よりずっと頭の回転が遅いのだということを見失っていたと思います。あと大多数が理解できる常識の範囲も見誤っていたんじゃないでしょうか。さいきんの芸人さんは勉強熱心で賢い方がほんと多いですから。

 

そういう意味で、単に上手だったり、ネタが練られていたりするコンビではなく、大衆にちゃんとウケるネタをやったコンビを評価した審査員たちは、バランス感覚が秀でているなと感じたのでした。長くテレビの世界で売れ続けているのは、そういうことなんだと思いますね。そして一発屋で終わる人と売れ続けるコンビとの差も、またその大衆のレベルに合わせた笑いをやれるバランス感覚次第なんだと思います。

 

コロコロチキチキペッパーズは、いちばんベタだったから優勝できた。それは言い換えれば、いちばんプロだったとも言えます。

 

笑いどころを作り、

認識させ、

それを堂々と繰り返して、

これでもかと何度も笑いをとる。

 

まさにキングオブコントの名にふさわしい、

プロの芸だったのではないでしょうか。