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ツイブロ

求人広告のライターが、ブラック労働や就活、人材業界周辺のことなど、日常のあれこれをツイーっと書き込んでいるブログです。心に残るヘリクツをお届けします。

こりない日本郵政。今年の年賀状CMでも、消費者の外堀を埋めてきました。

考え方 考え方-広告

 2014年、年賀状CMに関するこんな記事を書きました。

 

昨年の年賀状CMのキャッチコピーは、

ちゃんと、年賀状。
ちゃんと、大人。

この日本郵政のキャンペーンに対して、年賀状を無理くり出させようとする空気を作ろうとしている。ひどい。といった趣旨のことを書きました。

 

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今年も年賀状CMについて、バカまじめに考えます。 

2015年のキャンペーンコピーは、

年賀状、ください。

だって、もらうとうれしいんです。

というもの。

登場タレントも、好感度の超高い「嵐」を使っています。

 

 

たぶん、角が立たないようにめっちゃ考えて作ったのだと思います。

でも、ごめんなさい。やっぱり違和感があります。

 

キャッチコピーの「年賀状、ください。」は誰の言葉なんでしょう。

キャッチコピーって、時に消費者の気持ちを代弁したりすることもありますが、この言葉は果たして代弁になっているのでしょうか。みんなは年賀状が欲しくて、もらうと嬉しいのでしょうか。

 

ぼくは年賀状というのは、どちらかと言えば宴会でのお酌に近いものだというイメージをもっています。お世話になっている上司や社長などに、年の初めに日ごろの感謝の言葉をお伝えするのが年賀状。もらって嬉しい、嬉しくないという感情はあまりなく、社会人のマナー的な位置づけで捉えています。

 

親の世代になると、離れた知人と疎遠にならないための、年一回の文通のような感覚で年賀状の交換をしているようですが、その親でさえ、年賀状はめんどくさいとぼやいています。

 

特に最近の若者は、みんなLINEやfacebookでつながっています。つながりたいという気持ちさえあれば、疎遠になるということがない。年一回の年賀状程度のやりとりならば、facebookのタイムライン上で充分に完結できているのだと思います。

 

年賀状、ください。

 

これって、日本郵政が無理やり言わせているだけの、存在しない欲望だと思います。

なぜ日本郵政はこんなにも回りくどい訴求をするんでしょう。

 

年賀状を書いたり送ったりすることの、楽しさを伝えればいいのに。

このキャノンのピクサスのCMはOLの桐谷君が、自分の趣味全開の年賀状を楽しそうに作っている、という設定で展開されています。

年賀状=干支じゃなくても、もっと自由に好きなことすればいいんじゃない?と、古めかしい年賀状の価値観をアップデートしてくれた素敵なCMだったように思います。

 

まぁプリンターのCMですから、ちょっと違うと言われるとそうかもしれません。

 

じゃあ、年賀状と似たような境遇にある自動車のCMはどうでしょう。

どうですか。このトヨタの堂々たるキャッチコピーは。

「免許をとろう」と直球勝負の訴求です。

車以前に、その前提となる免許すらとらない若者に向けて、免許をとれと言っているのです。

 

若者が車に興味ない。

若者が年賀状を出さない。

 

企業を取り巻く状況は似ていますが、アプローチの仕方に企業の姿勢が出ます。トヨタのCMはあくまで、消費者が「自由に遠くまでいきたいなら」免許取ればいいじゃん、と言っている。

 

これなら消費者は自然に受け入れられます。

あくまで主導権は消費者の側にありますから。

嫌なら車は買わなくていいし、免許もとらなくていい。

 

ゴールは同じ購買でも、年賀状CMはアプローチがセコイ。 

年賀状CMのメッセージがトヨタのCMと決定的に違うのは、

年賀状をもらうとうれしい。

少ないと(もらえないと)凹む。

という、外堀を埋めるアプローチをとっている点です。

 

CM内に、こんなやりとりがあります。

櫻井:郵便受け開けるときさぁ。

松本:わかる!ドキドキすんだよねぇ!

相葉:少ないと凹むよねぇ。

「もらえないと凹む」という、欲しいのにもらえないひとの気持ちを伝えています。

 

暗に「あなたが年賀状を出さないことで、寂しい思いをする人がいる」と言っているのです。そう言われると、なんだか年賀状を出さないのは悪いことのように思えてきませんか?

 

外堀を埋めると言ったのはそういうことです。

 

キャノンは年賀状を「出すと楽しいもの」にしようとしました。

日本郵政は年賀状を「出した方がいいもの」にしようとしました。

 

この差は大きいです。

 

年賀状も、ハロウィンみたいにお祭りにしちゃえばいい。 

日本で、ハロウィンがアホみたいに流行っているじゃないですか。

あれって、仮装して騒ぐのが単純に楽しいからだと思うんですよね。

でも数年前はそこまでじゃなかった。

ハロウィンは最初はつまらないものだったけど、いま、面白いものになっているわけでしょ。

 

年賀状もハロウィンみたいにすればいい。

 

一年に一回、自分の個性を発揮して盛り上がれるイベントにすればいいと思うんです。バレンタインデーやクリスマスを作ってきた、日本の広告会社なら不可能ではないと思うんですけどね。

 

ただし、そうなったときに「年賀状」の形が、どこまで残るかは定かではありませんが。日本のハロウィンも、本家のハロウィンとは別物になってしまっているようですし。

 

まあ、いずれにしても、

年賀状を書くのを丸投げして…

 

 

あと、ポストに投函するだけ。

これじゃ何が楽しいのかサッパリわからないじゃないですか。

日本郵政自体が、年賀状を儀式的に捉えていることの現れだと思いますよ。

 

日本郵政は責任をもって、もっと年賀状を面白くしてください。

楽しければ、CMなんかしなくてもみんな出しますってば。