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ツイブロ

求人広告のライターが、ブラック労働や就活、人材業界周辺のことなど、日常のあれこれをツイーっと書き込んでいるブログです。心に残るヘリクツをお届けします。

「お店や会社を儲けさせてくれる人」こそが、お客様だ。という考え方。

考え方 考え方-仕事

 

触発されて少し書きたくなりました。

 

日々、広告制作の仕事をしていて不条理だと感じることがあります。

 

それはクレーマー客にたくさんの時間をとられて、優良な顧客にはあまり時間をかけられない、ということです。

 

クレーマー客は原稿の書き直しを何度も要求してきます。というより、すでに最初の段階で何案か出すよう要求してきます。たとえば3案出すことを要求されたとしたら、この時点で原価は3倍かかります。

 

この前、「コンペでただ働きさせるのはおかしい」といった議論が巻き起こっていましたが、実は普段の仕事でも似たようなタダ働きが頻発しています。通常は1案しか出さないものを3案出せば、それは実質的な値引きです。

 

広告会社は、デザインや文章を考える人に対して給与を支払っています。でも、クレーマー客は、アイデアにコストがかかっているということを理解しません。あるいは理解したうえで、限界まで搾り取ろうとします。

 

手間も時間も多くかけておきながら、いただける料金は変わらないのだとしたら、生産性は下がる一方です。

 

本来なら、たくさん出稿いただける優良顧客の仕事にこそ時間をかけて取り組むべきなのですが、現状は、優良顧客で稼いだリソースを投下してクレーマー客をさばいているというのが正直なところです。これは本当に悔しい。

 

 

売上至上主義が、生産性を落としている

文句ばかりつけてきて、対応がめんどう。そんな鬱陶しい客は拒否すればいい。誰もがそう思いつつ、そうできないのは売上目標が課せられているからです。

 

たとえば、120万円かけて100万円の利益をあげても、マイナス20万円になってしまいます。でも、売上数字の観点では、これも立派な「プラスの売上」になるわけです。極端な話、全仕事が赤字でも、売上額だけは凄い、といった結果もあり得ます。

 

売上さえ上げていれば、営業マンは評価されます。だから、会社に利益をもたらさないクレーマー客であっても、営業マンにとっては「お客様は神様」なのです。

 

仮に、売上の代わりに利益がノルマとして課せられたとしたら、営業マンは、クレーマー客など相手にしません。だって、利益をもたらさない客は、関われば関わるほどに目標から遠ざかってしまう貧乏神なわけですから。

 

 

日本人の場合、マナーの悪い客に限って、金払いが悪い

中国人のマナーの悪さが、たびたびメディアでも取り上げられています。でも、彼らはしっかりお金を使います。食事に行けば、高級な魚や肉をバンバン注文します。少々マナーの点で迷惑だったとしても、店はしっかりと儲けを得ることができるのです。

 

対して、日本人のマナーの悪い客は最低です。たとえば居酒屋で飲むにしても、安く酔える酒と安いツマミでだらだら居座ります。サラリーマン集団によく見られる傾向です。

 

酔っぱらって大騒ぎしていた一団がお会計をしているのを見ると、その金額が異常に安くて驚くことがしばしばあります。客単価が4000円くらいの店なのに、そのお客は2000円とか2500円くらいだったり。

 

短時間の利用ならまだしも、2時間、3時間どっかり腰据えて、それです。途中で満席のために何回かお客さんを断っているのも見ていたので、気の毒になりました。

 

そしてもう一つ驚いたのが、酔っぱらって騒いでいた1組が出て行った途端に、店が静かになったこと。にぎやかな店だと思っていたのはぼくの勘違いで、本当は落ち着いた雰囲気のお店だったのです。

 

 

日本の「おもてなし」は、ギブアンドテイクなのだ

日本人は勤勉に働きます。でも、その反動なのか、自分がお金を使う側にまわったとき、相手にも異常なまでの勤勉さを要求する人が多いような印象を受けます。

 

日本で生活していると、頼んでもないのに過剰なサービスを受けることができる代わりに、自分が働くターンのときには、同じく過剰なまでに勤勉なサービスを要求されてしまいます。

 

外国人観光客が、日本のおもてなしをアメイジングだと思うのは、おもてなし(過剰なサービス)を受けるだけ受けて、やり逃げできるからなのかもしれません。日本の過剰なサービスは、本来、ギブアンドテイクなのに。

 

同様に、お金持ちが日本でヌクヌクと生活できるのも、ギブアンドテイクの過剰労働に参加しなくて済むからでしょうね。 

 

日本のおもてなしは、国民同士のギブアンドテイクで成り立っています。でも、ギブとテイクのバランスは、不平等です。お金のある人は、たくさんお金を使うことで、自分が提供した以上のギブを手に入れることができますが、貧しい人は与えるばかりになってしまいます。

 

居酒屋でケチな飲み方をして騒ぐサラリーマンの行為は迷惑だけれど、あれはあの人たちなりのギブの受け取り方なのだ、それしか方法がないのだと考えると、一概に攻めることもできないよなぁと思います。

 

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日々、働いていると、お客様が神様すぎてもう俺は限界かもしれないと感じることがあります。でもその見返りに日常生活の中で、安価で上質なサービスを受けることができている側面もあるのでしょう。自分でも意識しないうちに。

 

そういえば先日、タクシーに乗ったらドライバーに激ギレされました。

 

行き先がちょうどワンメーターくらいだったんです。それで乗車中、延々と文句を聞かされ続けました。客に向かってなんてこと言うんだと思いつつも、ぼくはドライバーが怒る理由も理解していました。だから、ひたすら謝り続けました。

 

タクシーのドライバーにとって、その日のぼくはお客様として不適合だったのでしょう。しかし、乗車拒否されることもなく、文句を言われながらも目的地に到着できました。たったの数百円で。

 

ドライバーにとっては大きな損失だったと思います。

でも、ぼくは楽ができました。

 

お店や会社を儲けさせてくれる人こそが、お客様だ。

 

この視点は、自分が働くときだけでなく、サービスを利用する際にも、心しておかないといけないなぁとつくづく思います。

 

いつも優良なお客様でいられるように、襟を正して生活していきたいもんです。