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牛乳石鹸のWebムービーは、何を「さ、洗い流そ」と言いたかったのか。

牛乳石鹸のWebムービーが炎上していると聞いて、最初は無視していたけど、自分と違う解釈の人の意見がけっこう広まっているようなので。

書きます。

 

僕はこのムービー、炎上するような内容ではないと感じています。

それどころか映像作品として良くできているとすら思います。

 

まだご覧になられてない方は2分半ほどですので、ぜひ見てみてください。

以下、ムービーを見た前提でサクサク書いていきますね。

昭和な価値観のなかで育てられた、平成のパパの葛藤

主人公の「パパ」は昭和の価値観をもった家庭環境で育てられました。

過去の回想シーンでは、仕事にむかう父親の後ろ姿が象徴的に描かれます。

 

パパの価値観の根っこは、昭和なのです。

 

でも、パパは時代によりそって平成の家庭の在り方(夫のゴミ出しや仕事より家族優先の価値観)を受け入れて生きています。

 

携帯の待ち受けが家族写真になっていることからも、パパがママや息子のことを大好きであることが読み取れます(役者さんの淡白な演技にミスリードされそうですが…)

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昭和のパパが、ときおり顔を出す

しかし、ときどき、昭和のパパがむくっと顔を出すときがあるんですね。

職場で部下が叱られているのを見つけてしまったことが、そのシーンです。

 

パパは分かっています。

息子の誕生日だから早く帰るべき。

 

でも、、、

家族思いの優しいパパ。

時代なのかもしれない。

でも、それって正しいのか。

 

そこでパパは、少しだけ現代の風潮に反抗してしまいます。

部下をさそって居酒屋へいってしまうのです。

 

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居酒屋では、叱られた部下を「俺のときもそうだったよ」と失敗談を披露して励まします。

妻からの電話は悩んだ末、、、無視。

大事な話に水を差したくないのです。目の前の部下を優先することも、パパにとっての正しい行いです。

 

細かい演出ですが、部下には居酒屋の代金をおごっているようです。

昭和のパパが顔を出していたことが、「おごる」という行為を通じて、改めてここで表現されています。いまどきのパパなら、ワリカンもありますからね。

 

飲みにいく前に、妻には連絡しない

ちなみに、補足しておくと、飲みに行く前にあらかじめ妻に連絡することはしません。これはパパの心情的に自然なことでした。

 

理由は、いまどきの家庭優先のパパ像に対して反抗的な気持ちが半分と、もう半分は、妻に伝えたらこんな返事が返ってくることを予想しているから。

 

(飲みに行くのは明日でもいいじゃない。子どもの誕生日は今日だけだよ)

 

さて、帰宅したパパはママに怒られます。

 

「なんで飲んで帰ってくるかなぁ」

 

ムービーでは一切語られない部分ですが、あえて居酒屋にいったパパの考えはこうでしょう。

 

(怒られて落ち込んでいる「その日」に飲みに誘ってもらえるから嬉しいし、気持ちをリセットして翌日会社にこれるんだ)

 

でも、パパは言葉にはしません。

なぜかと言うと、この昭和の価値観をママは受け入れてくれないことを知っているからです。

 

ムービーに込められた「さ、洗い流そ」の意味

話が終わってないと言うママをおいて、風呂場に逃げ込むパパ。

 

※ムービーの尺の都合で編集されていますが、現実なら風呂にいきながらもう一言二言の応酬はあるかもしれませんね。パパがママを無視したように映ってしまい、この部分で見る人に悪い印象を与えてしまった可能性はあるかもしれません。

 

パパは湯船につかりながら、思いにふけります。 

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(親父が与えてくれたもの、俺は与えられているのかなぁ)

 

昭和の親父にも平成のパパにもなりきれず、どっちつかずの自分の在り方について思いめぐらせます。

 

風呂からあがったパパは、ママに「さっきはゴメンね」とすぐに謝ります。

ここでママはすぐに笑顔になって、子どもを食卓に呼びます。

 

たぶんママも分かってるんですよね。なにか理由があって飲んで帰ってきたのだと。パパの性格とか行動パターンは、ちゃーんとお見通しなのです。

でも、分かっていても、大切な日に連絡もなく飲んで帰ってくるのは腹が立つからママは怒ってしまいます。逆に、そんなママのことを、たぶんパパもわかっています。

 

言葉にせずとも通じ合っている関係です。これもイマドキではありませんね。

いまはハッキリ言葉にするべきだという時代ですから。

パパが風呂から出て、すぐにゴメンと謝ったのは、ある意味で平成的な対応だったのでしょう。こうして夫婦関係は維持されていきます。

 

ゴミ出しはするし。

妻のお使いにも応じるし。

遠き日の親父のようには全然なれてないパパだけど、言葉にせずとも通じ合える妻との昭和っぽい?関係は、どうにかこうにか築けています。

 

そして後日。

またゴミ出しをするパパ。

そのままバスに乗り、見慣れた車窓を見るともなしに眺めます。

 

最後にメッセージコピー(さ、洗い長そ。)と企業ロゴが表示されてムービーは終了です。

 

 

いかがでしょうか。

少しはムービーの印象が変わったでしょうか。

 

パパの一日を振り返ってみると、良いことも悪いことも表裏一体で「居酒屋にいかなければ良かった」と、単純に反省するような話でもないことがわかります。

 

人の心は、悪い部分だけを切り離して捨てることはできません。

 

上手く立ち回れない不甲斐ない自分へのネガティブな感情。

自分の在り方に対する迷い。妻への罪悪感。

 

一日の疲れや汚れとともに心を洗い流すことで、素直にゴメンねと謝れたパパのように、気持ちをリフレッシュできるのです。

 

 

ショートムービー的な仕立てになっているだけに、部分的な「パパの行動」だけを見て批判されるのは、作品の意図としてまったく不本意なのでしょうね…。

まぁCMは見る人の勝手ですから、仕方ないことではあるのですが。

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