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PS4「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」感想。20年前のリメイクとは思えない完成度。

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 通常版 【初回限定特典:オリジナルNEC PC-9800シリーズ版 DLCカード付き】【追加特典(特定法人限定):YU-NO20周年記念本付き】

ドラクエ11をプレイ後、ゲーム熱が高まって立て続けにゲームをプレイしています。

今回は「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」を購入。

 

約20年前に制作されたPCゲームのリメイクだそうです。名前は聞いたことあったのですが、プレイする機会がないまま今に至る、という感じでした。

 

さすが20年前の作品だけあって、ゲームシステムは古めかしい。コマンド選択式のアドベンチャーゲームです。最近はあんまり見かけませんが「話す」とか「調べる」とか選びながら話を進めていくゲームになっています。

YU-NO:コマンド選択式

都度、コマンドを選択してテキストを読み進めていきます。

あらすじを読んで興味をひかれたら「買い」

主人公・有馬たくやは幼少期に母を亡くし、
歴史学者である父も二ヶ月前に事故で亡くしてしまった。

全てにおいて活力を失ってしまった高校生最後の夏休み。
ある日、用途不明の丸い鏡とガラス玉のはまった妙な物体が入った小包が届けられる。
同梱されていた手紙には父親が生きていると思わせる内容が…?!

「今夜10時に、この物体を持って剣ノ岬(三角山)へ行け」

指示に従いその場へ向かうと、謎の女性が倒れていた。
そこには学園長と謎の転校生の姿も。

瞬間、地響きとともに光に包まれる…。
並列世界を駆け巡る旅が、今、始まる。

※公式ページより

 

主人公は「有馬たくや」。高校生です。

そのたくやの元に、2ヶ月前に亡くなったはずの歴史学者の父から手紙と謎の装置が届き、手紙には父の生存を予期させる言葉が…。

手紙に書かれた「今夜10時に、剣ノ岬へ行け」という指示に従い岬に向かうとそこには――。

SFチックな謎解き展開が好きな人はたまらない内容です。

 

コマンド選択式なので、ノベルゲームのように「選択肢を選ぶだけ」とはいかず。

ある程度、能動的なプレイが求められます。 

ダンガンロンパ1・2 Reload

最近のゲームで言えば「ダンガンロンパ」シリーズをやったことがある方なら、馴染みやすいかもしれません。

というかダンガンロンパが面白かった人なら、YU-NOも結構な確率で面白いと感じるのでは?と思います。

 

ただし昔のゲームらしく、自力での攻略難易度が高すぎるので、時間が惜しい方は攻略サイトを見ながらストーリーを楽しむのがお勧めです。

 

 

  

謎が解き明かされる過程の高揚感

提示された謎が、読み進めるにしたがい、少しずつ既知に置き換わっていくこと。

僕にとってYU-NOの面白さは、この1点に集約されます。

 

本作では、ゲーム開始まもなく、これでもかと大量の未消化の情報が提示されます。

思いつくものをざっと書き起こしてみましょう。

 

  • 母は主人公が幼い頃になくなっている
  • 父も2ヶ月前に亡くなっている
  • 父は歴史学者だった
  • 義理の母「亜由美」の存在
  • 亜由美の勤めるジオ・テクニクスという企業のうさんくささ
  • 海岸で工事中に起こる、謎の落雷事故
  • 亡くなったはずの父から手紙と謎の装置が届く
  • 手紙の指示通りに社に行くと、金髪の女性が倒れている
  • 社では、学長である龍蔵寺に銃口を向けられる(というか、なぜ銃?)
  • しかもその場には、味方であるはずの亜由美や転校生の神奈もいる(状況が理解できない)
  • 父から送られた装置を使うと、タイムスリップのような現象が起こる
  • 美月との思わせぶりな会話(むかし肉愛関係があったかのような)
  • 間もなく、父の書斎の荷物が引き払われてしまう(いかにも伏線すぎる)
  • 絵里子先生のあやしげな行動・言動
  • 神奈の素行についての風評
  • 龍蔵寺のうさんくささ(明らかな悪者感)

 

この通り、ゲーム開始から間もなく、引っかかりのある情報が山のように出てきます。

謎が謎を呼ぶ状態です。

 

もちろん、なかには美月と主人公の関係など、間もなく答えを得られる謎もあります。でも、上記のほとんどがゲームを相当前に進めないと解消できない疑問ばかりです。

しかもゲーム中盤くらいまでは、解消される疑問の量よりも、新たに湧き上がる疑問量のほうが上回っている状況。情報過多でストレスフルな状態が続きます。

 

ただ、僕はこの消化不良な状態こそがYU-NOの魅力だと感じます。

読めば読むほど疑問が湧き上がってくるので、よくできた教科書のように、どんどん求知心を刺激されて先を読みたくなってしまいます。

 一心不乱に読めば読むほど新たな謎が湧き上がってくるからたまりません。もだえ苦しむしかないんです。痒いところを掻きむしるような読み方をしてしまいます。

 

 

シナリオは風化しないが、ゲームデザインは錆びつく

シナリオはいいんです。人間の感性は、時代が変わっても根っこのところで共通項がありますから理解できます。

2017年現在に初見プレイしても、シナリオそのものはきちんとフレッシュに感じられました。(キャラクター造形や主人公の言動、行動に多少古めかしさを感じはしましたが…)

 

ただ、コマンド総当たりのゲームデザインは、いまプレイするには明らかにきつかったですね。

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よくあるノベルゲームなら、「クリック=ページをめくる」感覚でスイスイとテキストを読めます。

ただYU-NOだと、「見る・調べる」「移動する」「話す」のように、いちいちコマンドを選択する必要があります。

長文を読むのではなく、「コマンド入力⇒テキスト⇒コマンド入力⇒テキスト…」と作業を繰り返して、細切れの文章を読むことで状況を理解していきます。

これがしんどい。

 

あからさまに無駄な(よくいえば遊びの)選択肢があるんですよ。

上の画像で言えば「さわる」がそうです。主人公はスケベな性格の設定で、女性を前にすると胸を見たり太ももを見たりと、オヤジくさい選択肢が必ず出現します。

 

僕は、最初は面白がって選択していたのですが、シナリオが深まってくると、そんなもの読んでられないので、だんだん無視するようになってきました。几帳面な性格の人には、選択肢を網羅しないことがストレスになるだろうなぁと思います。

 

仮に無意味な選択肢を無視したとしても、コマンド選択方式は、やっぱり忍耐力がいりますね。

イベントのトリガーになる選択肢がどれか分からないために、何度も同じテキストを読むはめになるし、時にはあちこち移動してもイベントが起こらず、無駄足を踏むこともしばしばでした。

 

途中からは攻略サイトのお世話になってしまいました。

理由は、シナリオの先を早く読みたい気持ちが半分、社会人にこれ以上の無駄足はきついぜ、ってのが半分ですかね。

 

あと驚愕を通り越して呆れたのが、クリア後にもう一度、とあるルートに入ってしまうとリセットができないこと。

再度、膨大な選択肢を選びなおしてクリアまで手作業で進めないと、もとの状態に復帰できません。なんて融通のきかないシステムだ…(´・ω・`)

 

とは言え、名作と称えられるだけのことはありました

名作としてたびたび名前は耳にしていたのですが、リメイクのおかげで手に取ることができました。

 

細かな表現部分の粗削りさは、いまどきのノベルゲームの洗練されたクオリティと比べるべくもありませんが、シナリオの幹の部分の豊かさは、いまなお堂々たる存在感だと感じました。

 

謎が解き明かされていくときのゾワゾワする感じ。

高揚感、ドキドキ感、非日常感。

じつに得がたい体験でした。

 

世の中に「泣ける」ノベルゲームはとても多いのですが、YU-NOのように、不思議の提示とその回収を適切に行ってくれるアドベンチャー的な作品は希少です。

 

旧作のリメイク故に、至らないところをあげればキリはありませんが、それを補ってあまりある魅力ある一作でした。

初めての方も、久しぶりの方もこの機会にぜひ、遊んでみてください。 

 

(以下、ネタバレ要素がポツポツ出てきます ※ご注意ください)

  

 

ネタバレ込みの感想

ゲームの進行によって、街や高台など、主人公の身近な行動可能範囲が広がったり、非日常に属するエリアへの立ち入りが可能になったり…、行動範囲のコントロールが絶妙だと感じました。

 

たとえば、龍蔵寺の屋敷、土蔵、古井戸、三角山の地下探検、ジオ・テクニクスへの潜入、、、遺品が持ち去られる前の父親の書斎などは最たる例でしょう。明らかに怪しいのに、プレイヤーは最後の最後まで立ち入ることができません。

 

謎を解き明かすキーとなる重要な情報は、各キャラクターのシナリオで、断片的に、小出しに手に入ります。考察はできるけれど、絶対に答えに確信を得られない程度にしか情報が与えられないのが心憎いです。

読み進めるほどに、読み手の想像は際限なく膨らんでいきます。

 

途中、あまりに答えを欲し過ぎて、デラ=グラントの冒頭、牧歌的な夫婦生活の様子には、やきもきさせられました。

しびれを切らした僕は、読みながら「早く砂漠にいけー」と念を送り続ける始末。

 

デラ=グラント以降、謎が収束していく終盤は、残り僅かの情報を得たくて、どん欲にテキストを追いかけ続けました。ぶっ続けでプレイしていたので、体力はもはや限界に達していたのですが、寝るに寝られず、夜通しプレイするはめに。

 

アマンダが出てきたときは、神奈ルートで見た50年前のスナップ写真の意味を理解してゾワリと鳥肌が。最後、アマンダが飛ばされたときには「これでつじつまが合うのか」と納得。

 

絵里子先生の登場にも、ついにキターと歓喜です。どこかのタイミングで来ることは確信していましたが、先生から語られる事の真相にはワクワクせずにはいられませんでした。

 

そして、龍蔵寺が縛られているのを見つけたときの衝撃。

あまりにドキドキしすぎて、心を落ち着けるために冷蔵庫にビールをとりに行きました(笑)

彼に質問を投げかけるくだりは、絵里子先生の語りとともに本作最大級に興奮した種明かしシーンでしたね。

24時間以上ぶっ続けでプレイしていたにもかかわらず、目が冴えてしょうがなかったです。

 

クライマックスは、冒頭の三角山での金髪女性のことが思い出されて、種明かし前から先走って納得し、胸がいっぱいになっていました。

エンディングまでのラスト2時間、3時間くらいは、感動の外堀が埋められていくのを、1行1行じっくりと噛みしめました。至福のときでした。

 

ゲームが終わっても、なんだかまだ終わってないような気分がします。シナリオの性質上、致し方ないことかもしれません。よくある大団円的な終わり方ではないために、スッキリしないせいかもしれません。

だから、というわけではありませんが、感動はしても泣けるようなストーリーではないです。

 

ただただ、心のやり場がない感じにさせられます。これが読後感ってやつなのでしょう。

率直にいって、終わってしまうのが、とても惜しい作品でした。 

いい作品に出会ったときは毎回思うことですが、記憶を消してもう一度プレイしてみたいと、そんなくだらないことを考えてしまいます。

 

当時、原作をプレイした方々にとっては、ひょっとすると、いまがちょうどそのときなのかもしれません。じつに羨ましい限りですね。

 

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