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「お笑い」と「笑い」の違いとは何か?|松本人志プロデュース「ドキュメンタル」(感想)

HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル 予告編

「ドキュメンタル」は、Amazonプライムで視聴できるオリジナル作品。

前からずっと見よう見ようと思って放置していたので、この機会に一気に視聴してみました。

 

ドキュメンタルは、松っちゃんがプロデュースした番組で、芸人たちが密室内でお互いを笑かしあう、笑いのバトルロワイヤルです。

 

芸人たちがお互いに笑かしあって、1回笑ってしまったらイエローカード。2回目笑ってしまったらオレンジカード。3回目笑ってしまったらレッドカード(退場)となるルールになっています。

 

シンプルなんですけど面白かったですね。

年末恒例の「笑ってはいけない~」シリーズと、趣旨が被る部分もあるのですが、僕はこっちのほうが面白いと感じました。

 

「お笑い」と「笑い」の違いは何か、を目の当たりにさせられる

M-1などでふだん見ているお笑いって、フォーマット化された中での笑いなんだぁということを感じました。

あれはあくまで、お笑いを見にきている観客に対しての「ショー」なんですね。

コンビが順番に出てきて行儀よくネタを披露して、視聴する側はある程度、流れを予測しながら見ています。

 

一方、ドキュメンタルは筋書きなしの全編アドリブ。

いまは「誰々がネタをやる順番」というのはありません。誰かが突然仕掛けて、それに反射的に突っ込む人がいたり、さらにボケをかぶせる人がいたり。

笑いの達人同士の一瞬の攻防に見どころがあります。

格闘技の試合のように、一瞬たりとも目が離せないんですよ。

 

攻守がめまぐるしく入れ替わります。

ボケた方は、もちろん笑かしにいっているわけですが、そこに鋭いツッコミを入れられると、クロスカウンターのようになって、ボケたほうもツッコミを入れたほうもお互いダメージを受けてしまいます。やりとりを見ていた周りの人が、もらい笑いしてしまうこともありますしね。

 

ドキュメンタルでの「笑い」って、純化された笑いです。

裸になっても性器を丸出しにしても、相手のネタを即興でパクっても、言葉遊びで畳みかけても、なんでもアリです。

 

とにかく、相手から笑いという状態を引き出せればいいんです。M-1のように「しゃべりの上手さ」とか「ネタのよさ」とか関係ないんですよ。

間とかリズムとか文脈とか、より原始的な笑いのメカニズムを制したものが、笑いを取れる仕組みになっています。

 

アート作品が行き過ぎると一般人に理解不能になるように、「面白いから笑う」という単純な図式におさまらないところも魅力ですね。

フェンシングの試合が真剣での殺し合いになったとして、選手たちは競技のときと同じ動きをするでしょうか。たぶん違ってしまうと思います。きっと選手たちは、生き残るためにがむしゃらに剣を振るうでしょう。

そこに極限状態だからこそ生まれる「笑い」が垣間見えます。

 

追い詰められて恥も外聞もなく、ぶかっこうに笑いを取りにいく姿勢は、ある意味で醜悪でもあります。

ただ、地上波で放送禁止レベルの醜悪な部分もふくめて「すごいもん見たぞ」という背徳感もあって、そこがドキュメンタルの値打ちになっているんだと思います。

 

ウケてるときほど場がフリーズする矛盾

自分は笑わずに相手を笑わせたら勝ち。

シンプルなルールです。

 

この番組を面白くしているのがまさにこのルールで、笑わせるのを「攻撃」、笑いに耐えるのを「防御」とすると、笑わせにいくときは防御が疎かになってしまうんですね。ボケにツッコまれたり、ボケかえされる危険もありますし。

 

だから誰かが面白いことを始めると、それがウケているときほど周りの芸人は沈黙せざるをえません。笑いを堪えることに集中しないといけませんから。

水を飲んで誤魔化したり、口をあけたり、顔をしかめたり。

それぞれが必死になって笑いをこらえる様子が、たまらなく面白いです。

 

ときには、一瞬の油断をつかれて笑いをとられたり、長時間の撮影で気が緩んでいたのか、特に面白くもないしょうもない一言でフフと笑ってしまいアウトをとられることも。そのあっけなさがまた絶妙な緊張と緩和になっていて笑えます。

 

 

 

ドキュメンタルはシーズン3までが完結しており、現在はシーズン4が放送中です。

 

アラサー、アラフォーくらいの人にとっては、テレビがやりたい放題やっていた頃に戻ったような心地がして懐かしくもあると思います。

CMなどで見かけて気になっている方がいたら、ぜひ観てみてください。期待を裏切らない内容です。

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